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2024年10月20日

【契約編】不動産にありがちな失敗事例5選と解決策・トラブル防止法を解説

不動産売買契約書は内容が複雑で言い回しも難しいため、

理解できないまま契約の手続きをしている人もいるはずです。

 

不動産売買契約では、売主と買主が売買の条件や手続きするにあたって

守るべきことなどを書面化します。

内容を理解しないまま契約すると契約違反になったり、

解除されたりするかもしれません。

 

本記事では不動産売買契約時にありがちな失敗事例とその解決策・トラブル防止法を

5つ紹介しますので、参考にしてスムーズな手続きにつなげてください。

 

【売主】手付金を低く設定したため買主に契約解除されてしまった

 

【失敗事例】

買主があまり現金をもっていないとのことで手付金を低く設定しました。

手付金の額を少なくすることで契約することはできたものの、

契約を解除しやすい状態になってしまいました。

ちょっとしたトラブルで契約を解除されてしまい、売却後のスケジュールの

見通しが立たなくなり、手付金を低く設定したことを後悔しています。

 

【解決策・トラブル防止法】

手付解除するには手付金と同額を契約の相手側に払う必要があるため、

金額が低くなるほど簡単に契約を解除できます。

たとえば、手付金10万と設定すれば、10万円の損失で契約が解除できてしまいます。

物件代金の10%程度に設定すると、契約しやすいうえに解除の抑止力にもなるはずです。

手付金を3%未満などといった低い金額に設定すると、解除リスクが高まると

考えておくべきでしょう。

 

【売主】好意でエアコンを残したが壊れていてトラブルになった

 

【失敗事例】

買主から「売買物件内にあるエアコンを残してほしい」といわれたので

そのとおりにしました。

エアコンはまだ使えると思っていましたが、実は壊れていて

使い物にならない状態でした。

引渡し直後に買主から壊れていることを指摘され、

すぐに費用を払って撤去することに。

このようなことになるなら、最初からエアコンの状態を調査して

撤去しておくべきでした。

 

【解決策・トラブル防止法】

不動産の内部に残っているものは、買主の許可があれば

そのままにしておいてもかまいません。

しかし、残す物の種類や数、状態を契約書に明記しないと

トラブルの原因になります。

残す物の状態は契約前に調査し、設備表にその状態を記載すべきでしょう。

また、内覧時、安易に残すと買主に伝えるのではなく

「不動産会社と相談してから決める」と、ワンクッション置いておくことも大切です。

 

【売主】引渡し直後に雨漏りしていたことが発覚して補修費用を払った

 

【失敗事例】

売却する建物の内部で、雨漏りが発生していたことを知らずに

引渡ししてしまいました。

引渡し直後に雨漏りが発覚し、買主から補修の請求を受けました。

内部からはみえない箇所であったため、費用の支払いを拒否しようと

考えましたが、契約不適合責任により補修費用を払うことに。

きちんと契約書の内容を理解しないまま手続きしたことを悔やんでいます。

 

【解決策・トラブル防止法】

みえない箇所のキズだとしても、契約不適合責任が問われます。

契約不適合責任とは、契約書に記載した物より低い性能の物を

引渡ししたときに負う売主の責任です。

契約不適合責任が発生した場合、売主は性能が低下した場所を補修したり、

買主に損害賠償したりしなければなりません。

 

今回の場合、雨漏りしていない家を売ると契約書に記載し、

実際は雨が漏れているものを引渡ししたため契約不適合責任を問われます。

中古といった築年数が経過している建物を売買する場合は念のため、

売却前にホームインスペクション(住宅診断)したほうがいいかもしれません。

 

【買主】買い替え特約をつけておらず自宅と新居のローンの返済が重なった

 

【失敗事例】

住み替えのため、新居の購入と自宅の売却を同時進行していました。

希望の条件にあう物件がみつかったため、購入の契約を締結したものの

売却がなかなか進みませんでした。

購入の契約を締結したため、新居と自宅の住宅ローンを同時に返済することに。

返済が負担となり一時期、生活が苦しくなってしまいました。

 

【解決策・トラブル防止法】

住み替えで新居を購入する際には、売買契約に買い替え特約をつけるべきでしょう。

買い替え特約をつけておけば設定した期間までに売却できない場合、

購入契約を無条件で解除できます。

住宅ローンが二重になると、返済が厳しくなって破産したら

新居も自宅も手放す原因になるかもしれません。

 

【買主】住宅ローン特約が使えず違約金を支払うことになった

 

【失敗事例】

住宅ローンの審査に通らなかったときには、住宅ローン特約で

契約解除できると聞いていました。

しかし、住宅ローン特約の期間中に審査に必要な書類の準備ができず、

期間内に審査結果が出なかったため違約金を支払って契約解除することに。

早めに住宅ローンの準備をしておくべきでした。

 

【解決策・トラブル防止法】

住宅ローン特約は、審査に落ちたという事実だけでは使えません。

設定した期間に審査結果を出るよう、準備する必要があります。

住宅ローンの本審査には住民票や印鑑証明書など多くの書類が必要であり、

不動産売買契約締結前に何が必要なのか金融機関に確認しておきましょう。

そして、住宅ローン特約の期間中にいつ書類を準備し、提出するのか

スケジュールを立てておくことが大切です。

 

まとめ

 

不動産売買契約書はトラブルを防止するために作成しますが、

内容が複雑で理解しにくい書類でもあります。

 

どのようなトラブルが発生しやすいのか理解していないと、

かえって問題発生の原因になるかもしれません。

 

不動産売買契約によるトラブルは大きな損害につながるリスクがあるため、

不動産会社に任せるだけでなく自分自身で知識を得ておくことが大切です。