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TOPICS2022年09月05日
DIYでどこまでリフォーム可能?ホームインスペクションの提案
近年の不動産投資市場の活況で、不動産投資を始めようとしている方からの
相談が多くなっています。
特に築古物件をオーナー自らリフォームし初期費用を減らし、
貸し出すDIY大家さんが増加しているように感じます。
リフォーム自体は悪いことではありません、YouTubeなどで拝見する
DIY大家さんの中には素晴らしいセンスで仕上げている方もいます。
しかし、DIY大家さんはあくまで建築の素人です。
規制の多い日本の賃貸物件でどこまでDIY可能なのか?
また多くの大家さんから伺った失敗例やその対応策を皆様と共有したいと思います。
これから不動産投資を考えている方や大家さんにご参考になれば幸いです。
- 施工可能範囲と内装法について
一般的な大家さんが建物をリフォームしてよいのはどこまでしょうか?
結論からお伝えしますと、それは建物形状ごとまた利用目的により異なるというのが答えです。
戸建て・集合住宅(木材・RC構造)通じて以下の様な部分は一般の方が行っても大丈夫です。
・壁紙張替え
・塗装
・床材張替え
・照明器具取替(配線工事除く)
・障子・襖張替え
・室内外の軽微な補修等
しかし、壁材や天井まで全部取り換えるレベルのDIYをされる方もいます。
この場合は注意が必要です、リフォームをする際には「内装法」という規定があるためです。
これは国土交通省が定める、住宅に関する規定であり住宅構造により複雑な内容ですが
その中でも一番注意する箇所はキッチンです。
平屋は制限がありませんがキッチンの上に部屋がある場合は規制があります。
キッチン単独でなく、LDKなどキッチンと居間などが続いている間取り多いと思いますが
この場合の壁・天井は準不燃材質かそれに準ずる仕上げにする必要があります。
国土交通省の規定はかなり詳細で細かく、詳細は以下のリンクよりご覧ください。
参考URL国土交通省 準不燃材料でした内装の仕上げに準ずる仕上げを定める告示
内装法の判断基準は、工務店や内装業者でないと判断基準が難しい部分があります。
一部緩和された部分あるとはいえ、他人に貸し出しする際にはトラブルを未然に防ぐためにも
キッチン周りの材質を変える際は業者へ相談されることをおすすめします。
- DIY大家さん失敗事例
あるDIY大家さんの体験をお伝えします。
築30年超えの築古物件を購入後、残置物を撤去して浴室のリフォームを
DIYしてトラブルになった件をご紹介しましょう。
タイル張りの浴室はかなり見た目に劣化しており、そのDIY大家さんは
ご自分で浴室塗装をされたようです。
大変器用な方で塗装も美しく仕上がり、募集をかけてすぐに入居がきまりました。
しかし貸し出してからすぐクレームになりました。
「湯船のお湯を抜くとお湯の排水がうまくいかず、排水口から逆流し
排水があがってきている」とのことでした。
調べてみると浴室排水をするための配管が経年劣化のせいか、腐食し配管が破損しており
上手く排水できない状況になっていたようです。
DIY大家さんが塗装した時には、清掃のためせいぜいシャワーで流す程度だったために
このトラブル箇所を事前に見つけることができませんでした。
当然のことながらこのような修繕は配管業者でないと無理で、
修理に数日有し当然修理中は風呂に入れずとなりかなりのトラブルとなったようです。
浴室や洗面所・トイレや台所など配管などトラブルがないかを一般人が判断するのは
難しい部分があると思います。
配管や給湯器なども含めこの部分は業者へチェックを依頼した方がよさそうですね。
- 業者へ任せるべき場所
一般的な大家さんがDIYしても良い部分は先に挙げたような、表面上の箇所に
限定しておいたが無難という印象があります。
賃貸物件として貸し出すにあたり、入居者のスムーズな生活が送れなくなるような
部分のリフォームは控えた方が良いでしょう。
住まいの部分で資格や免許等がないと出来ない部分としては以下の部分です。
・電気・配線インターネット設備の壁内などの配線や引き込み線関連
・ガス・石油を含めた給湯器関連
・住宅設備配管
・建物の梁・構造上の大きな変更
これらの部分はリフォーム業者や設備業者などにお任せすべき内容でしょう。
- 住宅診断 ホームインスペクション
お伝えしてまいりましたように、住宅設備については一般的な大家さんが
すべての修繕やリフォームを行うには難しい部分がでてきます。
このようなトラブルを未然防ぐために、住宅を購入するまえにホームインスペクションを
されてはいかがでしょうか?
ホームインスペクションとは住宅の健康診断とも呼ばれており、
住宅のさまざまな部分を調査診断するものです。
どんな内容を診断するのかは以下の国土交通省のホームインスペクションガイドラインからの
画像をご覧ください。
このような住宅診断を事前に行った上で中古住宅を購入すれば、
どの部分を修繕する必要あるのかを事前にチェックすることができます。
このホームインスペクションは中古物件購入前に必ず義務化されているわけではありませんし
このような調査は費用もかさみます。
しかし入居者の安全確保やトラブル防止のためにも、今後このようなホームインスペクションが
普及することを願っております。
安全な住まいを提供するためにはさまざまな、手続きが必要になります。
物件購入やご相談あれば一度お気軽にご相談ください。