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TOPICS2022年09月10日
賃貸住宅へ太陽光パネルの設置
9月9日付の報道発表において、東京都が2025年4月から新築戸建て住宅への
太陽光パネル設置原則義務化を発表しました。
新エネルギーに関する制度は開発が急ピッチで行われており、
多くの制度や商品が発表されています。
新エネルギーも太陽光パネルや水素など様々ありますが、
導入実績や補助金制度の充実からみれば太陽光パネルを
検討している方が一番多いと思います。
近年の賃貸住宅フェアでも太陽光物件提案が人気で、
展示ブースには多くの相談者が訪れていました。
今回の記事では太陽光パネル設置をマンション・アパートに導入する
メリット・デメリットそして補助金についてお伝えします。
1.太陽光発電と集合住宅
太陽光発電パネル設置工事は、近年費用単価も以前よりは安価になっています。
工事は新築か既築かどうか、また種類・設置面積にも異なりますが
設置工事だけでも100~250万円前後の費用がかかるとお考えください。
既築物件では土台や屋根の補強も行う場合もあります。
太陽光設置業者も多数いるので、数社より見積もりをもらいご検討ください。
●太陽光導入種類
太陽光システムは大きく分けて余剰配線方式・全量配線方式の2種類があります。
全量方式は山の斜面や田畑などに設置する方式で、太陽光を全量売電する方式です。
一般住宅や集合住宅では、余剰方式を選択されるのが一般的でしょう。
余剰方式では2つの利用方法があります。
それぞれのメリット・デメリットについてもお伝えします。
●集合住宅共有部分で利用し余剰を売電する方法
アパート・マンションはこの方法が一番多いです。
一般住宅より屋根面積が広い集合住宅では、より多くの電力を生み出すことができます。
電力を共有部分に利用して、余剰を売電し収益を得る方法です。
この方法のメリットとしては、太陽光パネル設置工事だけの設備投資で
売電収益を上げることができるというのがメリットでしょう。
共用部分への配線工事もありますが、こちらは建物配電盤やMDFで
引き込みをするだけなので比較的安価です。
逆にデメリットとしては、太陽光パネル設置工事をしない場合に比べて
設備費用の負担額が大きいことと入居者への還元がない点です。
オーナー側からすれば売電し収益を上げることはできますが、
設備投資費用回収には時間がかかるのもデメリットです。
また入居者への電力提供がないため家賃に上乗せすることは難しいのではと考えられます。
●共有部分利用と共に入居者利用も可能にして余剰を売電する方法
最近大手アパート・マンションメーカーが力を入れているのがこの方法です。
太陽光パネルからの電力を共有部分と各部屋へ配線工事をして、
各部屋へ電力を供給する方法です。メリットは何といっても入居者へのアピールでしょう。
規模や入居人数にもよりますがすべての電気代を賄えるのは難しくとも、
導入した小規模マンションやアパートでは1カ月の平均電気代が3千円以下になった
という実績もあるようです。
この方法でも余剰があれば電力を売電することも可能なため、家賃以外の
収益を得ることができるのも大きなメリットといえるでしょう。
デメリットは何といっても設備工事費用がもっとも高額になる点です。
太陽光パネル設置工事と共有部分への配線工事、各部屋への配線・設備工事費用が発生します。
前項にてお伝えした設置工事費用に加算して各戸20万円前後の工事負担が発生します。
10部屋なら200万円の工事費用が発生します。
太陽光パネル設置のないアパート・マンションと比較すると、
建築費用・設備投資費用として少なくとも200万円以上もの費用加算が発生します。
この費用を家賃や売電で回収できるのかどうかという部分が問題となります。
2.補助金など負担軽減措置について
太陽光パネル設置事業は「ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)補助金として
多くの補助金支援が行われています。
経済産業省 資源エネルギー庁と環境省での補助金があり、
低層・中層・高層集合住宅への金額もそれぞれ異なります。
例として1階~3階までの低層ZEH-M(ゼッチ・マンション)促進事業
の資料をご紹介します。
この資料からすると低層集合住宅では40万円/戸・上限3億円となります。
国が行っている補助金だけではなく、金額や対象条件の差はありますが、
同様の補助金などを行っている自治体も増えています。
太陽光パネル設置や水素などecoなエネルギーを利用してのアパート・マンションを
検討されているのであれば是非利用することをおすすめします。
まとめ
賃貸物件での太陽光パネル利用が進んできたのはここ数年でした。
以前は太陽光パネル設置工事費用も高額で、導入をためらうオーナーも多かったことでしょう。
新エネルギーへの補助金も多くなったきた今、導入を検討されてはいかかでしょうか?
問題は工事費用と維持費が回収できるのかどうかという点です。
しかし、入居者側のメリットがある物件なら大きな客付け動機となりますし、
その分家賃設定を高くして入居率アップになれば導入効果は大きいでしょう。
賃貸経営は付加価値の高い物件を持ち、差別化することも経営安定につながる大きな要素です。
賃貸経営に向けての制度や補助金など分かりにくい部分も多いことでしょう。
お一人で悩まず、是非一度プロにご相談ください。