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TOPICS2023年04月06日
住宅取得資金贈与非課税延長!改正点や利用するときの注意点なども解説!
子どもや孫が住宅取得を検討しているため、住宅取得資金を贈与したいとお考えの方も多いことでしょう。
そのようなときには、住宅取得資金贈与の非課税枠の利用を検討しましょう。
住宅取得資金贈与の非課税枠を利用すれば、最大で1,000万円までの贈与が非課税で行えます。
ただし、利用上の注意点もあるため、制度について理解してから活用しなければなりません。
本記事では住宅取得資金贈与の非課税枠の概要や、利用条件、利用するときに注意しなければならないポイントなどについて解説します。
住宅取得資金贈与の非課税枠とは
住宅取得資金贈与の非課税枠とは、両親・祖父母から子・孫へ住宅取得資金を贈与しても、一定条件を満たす場合には贈与税が課税されないという制度です。
住宅取得には多くの資金が必要となり、両親や祖父母から住宅取得資金を提供されることも珍しくありません。
そのようなときに、贈与税が課税されてしまうと住宅取得者が少なくなる恐れもあるため、住宅取得資金贈与の非課税枠が設けられました。
住宅取得資金贈与の非課税枠を利用すると、最大で1,000万円の贈与まで非課税になります。
住宅取得資金贈与の非課税枠の改正点
住宅取得資金贈与の非課税枠は2022年に改正されました。
改正された内容は、次の表のとおりです。
2022年改正前 | 2022年改正後 | |||
利用可能期間 | 2021年12月31日まで | 2023年12月31日まで (2年延長) | ||
非課税枠 | 省エネ等住宅 | 1,500万円 | 省エネ等住宅 | 1,000万円 |
上記以外の住宅 | 1,000万円 | 上記以外の住宅 | 500万円 | |
中古住宅の購入条件 | 取得の日以前20年以内(耐火建築物の場合は25年以内)に建築された建物 | 1982年1月1日以後に建築された建物 | ||
受贈者の年齢 | 贈与を受けた年の1月1日で20歳以上 | 贈与を受けた年の1月1日で18歳以上 |
住宅取得資金贈与の非課税枠の利用条件
住宅取得資金贈与の非課税枠を利用するときには、一定の条件を満たす必要があります。
住宅取得資金贈与の非課税枠の利用条件は、次のとおりです。
- 父母・祖父母から子ども・孫への贈与であること
- 贈与を受ける年の1月1日において贈与を受ける人の年齢が18歳以上であること
- 贈与を受ける人の年の合計所得が2,000万円以下であること
- 日本国内にある住宅を取得すること
- 取得する住宅の床面積が登記簿上40m㎡以上240㎡以下であること
- 建物の床面積の1/2以上を住居用として使うこと
- 贈与があった年の翌年3月15日までに贈与税を申告すること
住宅取得資金贈与の非課税枠を利用するときの注意点
住宅取得資金贈与の非課税枠には様々なメリットがある反面、利用時に気を付けなければならない注意点もあります。
本章では、住宅取得資金贈与の非課税枠を利用するときの注意点について解説します。
非課税枠を利用し贈与税がゼロ円になっても贈与税申告が必要
住宅取得資金贈与の非課税枠を利用し、無課税枠内で贈与したとしても必ず贈与申告しなければなりません。
もし非課税枠だからと言って贈与申告しなかった場合、住宅取得資金贈与の非課税枠の利用が認められなくなるだけではなく、年間110万円を超えた部分の贈与税や追徴課税をされてしまいます。
そのため、非課税枠内の贈与だとしても、必ず贈与申告はしておきましょう。
小規模宅地等の特例が利用できない
相続が発生したときに土地を相続する場合、一定条件を満たせば相続する土地の相続評価額を8割減らせます。
これが小規模宅地等の特例です。
小規模宅地等の特例を利用する場合の条件の1つとして、自宅を相続する人が配偶者か亡くなった人(被相続人)と同居をしていた親族である必要があります。
つまり、自宅を取得してしまった相続人は、この制度が利用できなくなってしまいます。
土地の相続評価を8割下げた相続税のほうが、贈与で渡した非課税枠の金額よりも低くなることもあるため注意が必要です。
相続時精算課税制度と誤認しやすい
住宅取得資金贈与の非課税枠と似た制度として、相続時精算課税制度という制度があります。
相続時精算課税制度とは、2,500万円までの金額を贈与しても贈与税は課税されず、相続発生時に贈与した金額を相続税対象金額として計算する制度です。
住宅取得資金贈与の非課税枠と相続時精算課税制度は、非課税枠の贈与なら贈与税が課税されないという共通点はありますが、まったく違う制度のため利用するときには両制度の違いを理解しておきましょう。
相続争いの原因になりやすい
住宅取得資金贈与の非課税枠を利用するということは、生前贈与をすることになります。
相続発生し相続する財産を分けるときには、生前贈与した分を考慮して分けますが、生前贈与を考慮せずに分配してしまうケースがあります。
そのようなことにならないよう、住宅取得資金贈与の非課税枠を利用するときには、相続人全員に制度の利用をあらかじめ伝えておきましょう。
まとめ
住宅取得資金贈与の非課税枠とは、両親などから子などへ住宅取得資金を贈与する場合、一定条件を満たすと最大で1,000万円までの贈与が非課税になる制度です。
本来は2021年12月31日で終わる予定でしたが、2年延長されて2023年12月31日まで利用できることとなりました。
住宅取得資金贈与の非課税枠は利用するメリットがある反面、利用するときの注意点もあるため、信頼できる税理士などに利用したほうがよいのか相談しましょう。
弊社の顧問税理士は贈与税の制度にも精通しているため、住宅取得資金贈与の非課税枠についてお気軽に相談ください。住宅取得資金贈与の非課税枠を利用したほうがよいのかどうか、アドバイスさせていただきます。