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TOPICS2023年10月27日
越境物のある土地売却時のポイントは?トラブル事例についても解説
越境物のある土地はトラブルに発展しやすいため、どのようなトラブルが発生するのか、トラブルを防止したらいいのか理解しておくことが大切です。
越境物のトラブルは裁判まで発展するケースもあるため、売却時には注意しなければいけません。
本記事では越境物のある土地の売却時に起きやすいトラブルや、トラブルを防止する方法について解説しますので、越境物のある土地を売却するときの参考にしてください。
越境物とは
越境物とは、住宅や塀、樹木などの境界線から出てしまっている物です。
そのため、ブロック塀や建物の基礎などだけでなく、空中の越境物にも注意しなければいけません。
電線や屋根の庇など空中で越境している場合、空中越境しているといいます。
また、相手側の土地から自分の土地に越境物があるケースもあり、このケースでもトラブルになることがあります。
越境物のある土地売却時に起きやすいトラブル
境界物がある土地売却はトラブルを引き起こしやすいため、どのようなトラブルを発生されるのか理解しておく必要があります。
越境物のある土地売却時に起きやすいトラブルは、次のとおりです。
- 境界標がずれていた
- 所有者が変わったら急に越境の文句を言われた
- 買主に売買契約を解除された
越境物がある土地を売却するときにはどのようなトラブルが起きやすいのか理解し、トラブル発生を防止していくようにすることが大切です。
境界標がずれていた
ずれてしまった境界線を信じてブロック塀などを建築したら、のちの測量によって境界標がずれていたということがあります。
石杭の境界標であればなかなかずれませんが、画鋲のような境界標はずれやすいため気を付けなければいけません。
境界標が明示してあるからといって正しい位置にあるとは限らないため、正しい位置にあるのか売却時に確認しましょう。
所有者が変わったら急に越境の文句を言われた
越境の問題は所有者が変わると、相手方の対応も変わるため注意しなければいけません。
越境物があったとしても仲の良い隣人同士であれば、黙認されるケースが多くあります。
しかし、所有者が変わって親密度が以前と変わってしまった場合、隣人が急に越境物に対する文句を言ってくるケースがあります。
このようなことを防止するためにも、買い手に迷惑がかからないように越境の覚書を隣人と締結しておくことが大切です。
買主に売買契約を解除された
越境物があることを知っていたにもかかわらず、買主に伝えず売買契約を締結し後で隠したことが発覚してしまった場合、買主から売買契約を解除される可能性があります。
買い手に不利になることは事前に伝えなければならず、伝えなかった場合は「不実告知」として契約解除、損害賠償の対象となってしまいます。
そのようなことにならないよう、越境物がある場合は売買契約前に必ず伝えておきましょう。
越境物がある土地売却時に確認すべきこと
越境物がある土地売却時には確認すべきことがあります。
越境物がある土地売却時に確認すべきことは、次のとおりです。
- 確定測量をする
- 隣地と越境について話し合う
- 越境の覚書を取得する
確認すべきことをすべておこなっておけば、売却後のトラブルの発生を抑えることが可能です。
どのような事項を確認すべきなのか理解し、越境物のある土地を売却していきましょう。
確定測量をする
越境物のある土地を売却するときには、必ず確定測量をしてから売却しましょう。
確定測量とは、土地家屋調査士・測量士が測量をおこない境界線を設置し、境界線を確定する作業です。
確定測量をおこなえば越境物が本当に越境しているのか、越境している幅はどのくらいなのかがわかります。
そもそも越境しているのかどうかを調べてからしか対処できないため、確定測量の実施は被売却時に不可欠な作業です。
なお、確定測量は実施する土地などにより費用は変動しますが、おおよそ40万円程度かかります。
隣地と越境について話し合う
越境物がある場合は、隣地と越境について話し合っておきましょう。
相手側の敷地から自分の敷地に越境物があっても、勝手に越境物を取り除いてはいけません。
民法によって勝手に取り除ける越境物もありますが、勝手に取り除くと感情的な問題に発展してトラブルになります。
きちんと越境していること、取り除いてよいのか話し合ってから越境物をどうするのか決めていきましょう。
越境の覚書を取得する
越境物の取り扱いについて話し合をしたら、越境の覚書を作成しておきましょう。
確定測量をおこなえば越境の覚書は土地家屋調査士が作成してくれます。
しかし、自分で越境の覚書を取得するのであれば、隣地と話し合いをして書類の作成までおこなわなければいけません。
越境の覚書に記載すべき事項
越境の覚書を作成するときには、必ず次の内容を盛り込みましょう。
- 越境物があることを自分も隣地も認めたこと
- 越境物を現況のままにしておくこと
- 越境物を撤去するのであればその条件
- 越境の覚書は所有者が変わっても有効であること
越境の覚書を作成するときには、まず越境物があることを自分も隣地も認めたことを記載します。
これがないと越境物の存在を認めたことになりません。
次に越境物をそのまま残しておくことを記載します。
たとえば、建物の基礎が出ている場合は撤去が難しく、越境状態が続くことになります。
撤去できないものについては残すが、越境状態であることを記載しなければいけません。
建物を解体した後は、建物を越境させないように再建築することを明記します。
また、越境の覚書は所有者が変わっても有効であることを記載しておきましょう。
この文章を入れておくことで、売却後に土地が買主に移ったあとも覚書が有効となります。
まとめ
越境物のある土地はトラブルになりがちであるため、越境についての取り決めを隣地と話し合っておく必要があります。
話し合うには確定測量をする必要があり、費用も発生します。
しかし、確定測量をすれば越境の覚書を土地家屋調査士が取得してくれるため安心です。
自分で越境の覚書を取得するのは困難であるため、できる限り土地家屋調査士に依頼して進めていくようにしましょう。